生理痛の起こる仕組みと生理痛に伴う腰痛・腹痛の治し方を解説

内臓の問題

生理の仕組み

女性の体は女性ホルモンの分泌に大きな影響を受けています。10代の中ごろまでに初潮が起こり、50代前半に閉経するまで、周期的に月経を起こさせているのは女性ホルモンのはたらきによるものです。人によって誤差はありますが、月経はおよそ28日ごとに起こります。

生理痛の原因:生理痛に波があるのはなぜ?

月経がはじまると子宮の内側にある膜(子宮内膜)がはがれ落ち、血液とともに体外に排出されます。このとき、プロスタグランジン(痛みのもと)という物質が分泌され、子宮の収縮を促します。
プロスタグランジンの分泌が増えすぎると収縮が強くなり、下腹部や腰痛を感じると言われています。経血の排出が滞ってしまうとプロスタグランジンをたくさん出して排出しようとします。すると子宮の収縮が過剰になり腹痛や腰痛などの症状がきつくなります。排出が落ち着くとまた経血がたまるまでしばらく症状が落ち着きます。これが繰り返されるために生理痛の波があるのではないかと考えます。

日常生活がつらいほどの痛みは月経困難症

学校や会社に行けないほど痛みが強く、下腹部痛のほかに腰痛や頭痛、吐き気、下痢やめまいなどの全身症状を伴う場合は「月経困難症」と呼ばれます。

 

機能性月経困難症

特に背景に病的な異常がない場合は「機能性月経困難症」といいます。出産前で子宮頸管が非常に細かったり、体質的にプロスタグランジンの分泌が多い人などが痛みを強く感じやすいようです。若い人の強い月経痛はほとんどこれにあてはまります。一般的に出産すると月経痛は軽くなります。

器質性月経困難症

何らかの疾患が原因となっている場合は「器質性月経困難症」といいます。出産後の女性で、以前より月経痛や血量が増したり、塊が出たり、月経前から痛みがある場合などは、子宮筋腫や子宮内膜症などが原因と考えられます。

 

生理痛がひどいときの対処法:生理痛とカイロプラクティック治療・腰痛・腹痛に効果的

子宮を支配する自律神経が背骨にあります。(子宮と関連がある背骨はT12、L2、L3、仙骨)異常が起こっていると子宮と関連する背骨がずれています。そのずれを治すと、子宮の異常な収縮が収まり、痛みがマシになります。

それだけではなく、下腹部や腰痛が起こる原因には、腹部内の筋肉の過緊張も起こっていると考えられます。筋肉が異常に緊張していると子宮内の血液が排出しにくくなるので子宮に残った血液を押し出そうとしてプロスタグランジン(痛みのもと)をさらに出してしまいます。そのため腰痛、腹痛が悪化してしまうという悪循環が生まれます。

筋肉を緩めてあげることで子宮内の血流が良くなり、血液の排出がうまく行くようになれば、プロスタグランジン(痛みのもと)の分泌がおのずと減るので、ずいぶんと生理痛がマシになります。

生理痛を緩和する:カイロプラクティックで生理痛の治療

原因となる病気のない月経痛(機能性月経困難症)の場合は、カイロプラクティックでも治療可能です。

治療しても痛みが続く、あまり変わらないというものは何らかの疾患も考えられます。

何らかの疾患がある器質性月経困難症の場合でも、背骨のずれ、筋肉の過緊張が同様に起こっているので、それらを改善していくことで病院での薬治療と併用して疾患を治りやすくすることが大事です。

生理痛になったときの対処法

くすりを飲む

つらい痛みを我慢して心理的にストレスを重ねるより、痛み止めのくすりを上手に使って月経期間を過ごす方がからだにやさしい対応です。しかし、完全に痛み止めで抑えておけない場合や、痛み止めを多用したくない方など様々です。そのような方にカイロプラクティック治療がお勧めです。

カイロで体を温めて生理痛を緩和する

月経期間中は子宮の周囲がうっ血して血行が悪くなっています。体を冷やしてしまうとさらに血行が滞ってしまうため余計に痛みがきつくなります。体を温めることをお勧めしているのですが、良くておなかにカイロを貼るだけという人が多いです。どこを温めるのがより効果的かというと、腰のまわりと足を温めると良いでしょう。

昔のことわざで「秋ナスは嫁に食わすな」ということわざがあります。これはうまいものを嫁に食わせるなんてもったいないという姑さんの意地悪ではなく、東洋医学では茄子という食べ物は体を冷やすため子供を授かる人にとっては良くないものであるという気遣いから生まれたという風に考えられています。そのため夏野菜などを食べ過ぎておなかを冷やすと生理痛にはあまりよくないと言えます。

 

薬が効かないときには生理痛を和らげるツボ

腎兪

おへその裏側で、高さはウエストのくびれライン。背骨から指2本分外側の筋肉上にあるツボです。冷え改善や血行促進効果が期待でき、生理中の腰の重だるさの改善におすすめです。この場所をカイロで温めると効果的です。

血海

「血」に関わる症状に効果が期待できるツボで、血液の巡りを良くして血流の改善を促します。膝のお皿の内側のラインと上際のラインとの交点から指3本上の位置にあります。ここに朝と夜ドライヤーを当てて温めてください。熱く感じたら離して、また行います。繰り返して3回ほどやると温まります。

三陰交

婦人科の不調に効果的といわれている最も代表的なツボで、女性ホルモンを整えてくれる作用があります。

足の内くるぶしの骨のでっぱりから指4本分上のところにあります。生理中に痛みや不調を感じたら、ここに朝と夜ドライヤーを当てて温めてください。熱く感じたら離して、また行います。繰り返して3回ほどやると温まります。

 

治療報告

20代女性

生理痛が普段よりも重く、夜も眠れなかった。仕事に行くのもつらく休まないといけないかもしれないと思っているとのことでした。

私たちは、お腹や腰の筋肉の硬さを触診して状態を確認します。緊張が強いと硬さがきつくなる傾向にあるのでこの硬さを緩めてあげることが最大のポイントになります。

この患者さんのお腹や腰はとても硬くなっており、痛みが強いことを表していました。

子宮は骨盤の中に納まっている臓器ですので、骨盤周囲の筋肉も確認していきます。この患者さんは、骨盤周りの筋肉も硬くなっていて、押すと痛みがあるほどでした。骨盤周囲筋は股関節の動きと関連があるので、股関節の硬さがあると骨盤の筋肉も硬いと考えられます。そのため、まず股関節の動きを治療しました。股関節の動きが改善されて、骨盤周りの筋肉も緩みました。次は、子宮を緩めてくれるツボを刺激します。ツボを刺激しているとだんだんとおなかの硬さが減ってきました。そこから子宮と関係する背骨のずれを治しました。ずれが治ると子宮が緩むためお腹、腰の痛みもずいぶん楽になった。とのことでした。

このようにカイロプラクティック治療で生理痛を緩和させることができます。

生理痛がきつい人はぜひ一度中川カイロプラクティックオフィスにお越しください。

編集者

柔道整復師・鍼灸師・カイロプラクター

稲益健人