バスケの試合中ジャンプをして着地したときに、人の足を踏んでしまい足首の捻挫を起こした治療例

足首

バスケをしている方の治療例です。一週間前にバスケの試合中、ジャンプして着地した時に人の足を踏んでしまい足首の捻挫をしてしまったとの事でした。

患部は外くるぶしの後ろから前にかけて腫れていて、歩行もかなり足を引きずっていました。足をつくと痛みが走るためあまり足をつけないと言っていました。

足首の内反捻挫とは?

一般的に最も多い捻挫は内反捻挫と呼ばれる捻挫です。

これは足首を小指側に捻ってしまい、足首が下を向いた格好で起こる捻挫です。この捻挫をしてしまうと前距腓靭帯と呼ばれる靭帯が伸びてしまったり切れてしまうことがあります。

動きの検査を行った結果

足の踏み方にもよりますが、今回は人の足を踏んだため足首が上に反るような形(背屈方向)になり小指側にもねじれる(回外)ように捻挫してしまっているようでした。

普通の捻挫であれば足首を上に(背屈)上げられるように治療していくのですが、今回は下を向ける(底屈)ように治療する必要がありました。

下を向けなくなっている部分と小指側にねじれてしまっている部分が検査で見つかりました。ただそれだけではなく、上に反っていく方向にも硬さが出ていました。

人の足を踏んでしまったときに起こった捻挫の治療方法

①捻挫の格好で固まった筋肉を緩める

最初は捻挫の方向で筋肉が固まってしまうため、そこを緩めてあげる必要がありまます。

この患者さんは前脛骨筋という筋肉と、後脛骨筋という筋肉が硬くなってしまっていました。

これらの筋肉が同時に硬くなってしまうと足を上に持ち上げて外にねじれるような格好(背屈+内反)になってしまい、さらにそれだけでなく下の方にも硬さを出すことになるので、上にも下にも動かせないということが起こります。

筋肉を緩めたことで大方の硬さが取れて、足首の可動域が出てきました。

②捻挫でずれた骨をもとの位置に戻す

ここから細かい骨のずれを見ます。人の足を踏んだために足の骨(足根骨)が上方へ浮き上がってしまい、小指側にねじれて(外旋)しまっていました。

この骨を下方へ下げ、内側にねじれる(内旋)ように治療すると歩行時の痛みが減りました。

普通の捻挫とは少し違うねじり方のため変わったずれ方をしてしまいます。

このあたりのズレを治したことで、最初より歩いた時の痛みが減ってくれました。

③足首と関連する神経を背骨を使って刺激する

さらに足首の痛みと動きを支配している神経が出ている背骨を治療すると神経作用の働きが活発化して腫れが引いてきました。

治療後、歩行時の痛みがずいぶん減って、歩きやすくなったとのことでした。

このように治療をしておくと普通に治るよりも治ってくれる工程が早くなります。

簡単な捻挫であれば2週間ほどすれば競技に復帰はできますが、痛みがきつく自分で歩けないような捻挫で、治療しても痛みが変わらない場合は骨折の可能性もあります。

そのような場合はレントゲンの撮影をすすめることもあります。